花澤 武夫 – 三匹の蛙

PAST 12. 06. 2019 - 01. 18. 2020
花澤武夫新作個展「三匹の蛙」を開催いたします。2016年の「ミスター・フォーンの仮面舞踏会」から3年ぶり、2007年のSIDE2初個展から6度目の個展となります。タイトルである「三匹の蛙」とは、レオナルド・ダ・ヴィンチとサンドロ・ボティチェリが、ヴォロッキオ工房での修行時代に共同で開いたオステリアの名前、ダ・ヴィンチのヌーベル・キュジーヌが失敗したことで知られます。今回は店名を拝借して、作家本人の解釈による食にまつわる展覧会となります。以前から気になって描いてきた、ロブスターや牡蠣、目玉焼き、好物の鮎などが、室内装飾用のステンシル、食を描いたアーティスト達の作品ディテールの引用などを用いて展開します。また、マーティン・キッペンバーガーのホテル・ドローイングへのオマージュとして継続している、ラーメン・ドローイングの新作も展示いたします。花澤作品の中では、尊敬するアーティストや本、音楽に触発されたイメージが常に大きな要素となっています。カクテルや手袋のような日常の些細な事物から、カートゥーンやスポーツ、ポップカルチャーのアイコン、博物館で遭遇する時代に試されて来たオブジェクトなど、様々な土地と時間に存在するものを視覚化しています。現代だからこそ手にできる情報との対話、変わっていくものとも、変わらないものとも、ダイアローグを結ぶことが制作過程であり、作品はそこから抽出した、時代を超える人の素晴らしさや、豊かさを伝えるデティールで構成されています。
 
小さな空間ですが、1階と2階で違う表情を見せる、花澤武夫の独特のナレティヴから生み出される展覧会をぜひにご高覧ください。
 
1977年千葉生まれ 東京在住 多摩美術大学油画科卒業 
2020年には台北ダンダイでの個展式発表、バンコクのVERギャラリー個展、台南の182アートスペース個展を予定しています。