タイビッチ・プンカセソンブン ままならない旋律 – 東京
タイビッチ・プンカセソンブン
「ままならない旋律 – 東京」
2025年1月17日-2月21日
オープニングレセプション:2025年1月17日(金)17:30 – 19:30
17日は本人も在廊いたします。
チャンマイ、タイで制作活動をしているタイビッチ・プンカセソンブンの東京で初の個展を1月17日よりオープンします。今回の展覧会では、様々な背景、思想、習慣を持つ人々のポートレートのドローイングを中心に、マスクや看板の彫刻作品を展示します。どの作品においても、我々個々が創造も破壊も内包する複雑な社会的存在であることを示唆しています。
10月末より個展「Untamed Melody(ままならない旋律)」展のパート1がフォーシーズンズホテル・バンコク内の美術館の所有するアートスペースで、12月7日よりパート2がバンコク現代美術館で開催中です。この2つの展覧会は、2020年Gallery VERで開催した「THE LEFTOVER」展に続いて、リクリット・ティラヴァニによるキュレーションとなっています。パート1では多様な人々のポートレートを展示して、私たちの社会を形作る個の存在の美しさと禍々しさを表現しました。展開するパート2では廃物を利用した彫刻やインスタレーションに展開しています。私たちが消費した事物が作品として提示されることによって価値を変えるだけでなく、現代人の習性、現代社会を省みる道具となっています。
タイビッチ・プンカセソンブンの廃物を利用した作品では、生活とアート、リサイクルと創造、貧富や公私といった観念を対立ではなく、緩やかにつなぎ合ったものとして生成しています。廃品トラックを停めて手にした鉄ジャンクを溶接し、色を施した道具は人間の煩悩を釣るための道具、色を流したセメントで固めた植木鉢作っては植物を育てることは喜びと語ります。作品を体感すると、それら全てが混じり合い、一つになって無に帰るという大きな流れをタイビッチが見ていることを感じることができるように思います。
一見自由でおおらかに見える作品は、その開かれた姿勢により、観者それぞれの経験が反映され、様々な記憶を刺激するものです。双方向であってこそ機能する作品群となっています。タイビッチ・プンカセソンブンの作品を通して、新たな発見、新たな見方と出会えることを願います。
新年にぜひにお運びください。
タイビッチ・プンカセソンブン
チェンマイ在住
1959年 パッタニ、タイ生
1984年 シラパコン大学卒